住宅価格指数

住宅市場は、その国の景気動向に大きな影響を与えるため様々な統計が取られています。この統計は、経済を占う仕事についている人は非常に注視してみています。その住宅指標の1つに東証住宅価格指数というのもがあります。 東証住宅価格指数とは、首都圏の既存マンション(中古マンション)に関して、財団法人東日本不動産流通機構に登録された成約情報を活用し、同一物件の価格変化に基づいて算出された国内初の指数です。これにより、既存住宅の価格動向に関する国際的な比較も可能となっています。
また、これとは別に不動産価格指数(住宅)というものがあります。この開発の背景には、2007年に生じた米国のサブプライムローン問題に端を発した、世界各国での金融市場の混乱にあります。翌年のリーマン・ブラザーズの破綻から世界的な金融危機へと拡大したことは、記憶に新しいのではないでしょうか。私は、この経済危機が今後の資本主義像に与える影響は大きいと思っています。金融資本主義の限界が、世界の上層部でも問題になっていると思われます。また、ヨーロッパでも、2000年代後半以降不動産バブルが崩壊し、現在の経済危機への誘因にもなっています。つまり、不動産バブルの問題が金融・経済危機へとつながっており、これを把握できなかったのは、不動産価格の変動に関する情報が不十分であったという観点から、この指数が生まれました。もっとも、今までにまったく注視されていなかったなんてことはありませんが。


S&Pケース・シラー住宅価格指数

S&Pケース・シラー住宅価格指については、株などの投資に興味がありその研究をされている方なら誰もが聞いたことがあるほどの有名な指数であると思われます。現在、S&Pケース・シラー住宅価格指数は、米国内の住宅価格動向を示す最も一般的な指数であり、特に住宅価格は個人消費に大きな影響を与えることから、米国の景気指標としても重視されています。このS&Pケース・シラー住宅価格指数とは、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ社)が毎月発表する、アメリカ合衆国(米国)の住宅価格の水準を示す指数のことです。これは、全米の調査対象地域の一定期間の住宅売買のデータ(再販価格)を集計し、2000年1月を100として指数化したものです。この指数は、1980年代にカール・ケース(Karl E. Case)とロバート・シラー(Robert Shiller)の二人の教授が中心となって開発されました。